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アテ誕にパソコが壊れました。
なんのプレゼントッ!?…と泣きまくりました。…でもゴメン、一番悔しかったのは消えたポプヤンです。
同時更新しようと思ったのに!!!!(T△T)ぅぇぇぇ〜!!
「続き」は脳内サルベージです。
藻屑151(セフレDEロイ×ヤン)
遠くに聴こえる寝息に混じり、雨音のような水の音が近づいてくる。
音に誘われ重い瞼をゆっくり開く。ぼやけた視界に白い波間のようなシーツが広がっていた。
滑らかで上質な布だ。自分がどこにいるのか、ヤンは一瞬判らなくなった。
…あぁ、そうか。
思い出した途端、気怠い躯が一層重くなり、シーツに沈み込む。このまま意識も沈めてしまおうかと思うが、溜め息で誘惑を払う。
雨音が、止まった。正確にはシャワーの音だ。
魅力的な暖かいベッドから抜け出し、毛足の長い落ち着いた淡い色合いの上等な絨毯に投げ出されたシャツを拾う。
身を屈める時に、下肢から鈍く重い痛みが広がり、ヤンは顔を顰めた。その原因がシャワールームから妙にすっきりとした顔で出てきた。
均等の取れた躯をバスローブで包んでいるが隠せるものではない。特に、青と黒の色違いの双眼は希少な宝石の様で、質の高いこの部屋に相応しい男だと若干の厭味をブレンドして内心で呟きながら、声も交えずにすれ違いでシャワーを浴びる。
いつもなら厭味の一つも投げかけられるのに、背中に感じる視線は楽し気でヤンは眉を顰めた。
肩越しに顧みるとロイエンタールの口元は意地悪気に釣り上がり、小さな溜め息しか出ない。
とにかく、暖かいシャワーで肌の表面に纏わり付く気怠い空気を洗い流す。
「…あ」
うっすらと残された情痕を脇腹に見つけた。
「…痕は付けるなっていってるのに…」
道理で、機嫌が良さそうだと思った。
…こんなことして、なんになるのかな?
甚だ疑問だが、問えばきっと、嫌がせだ、と返ってくるだろう。
ロイエンタールは、ヤンには他にも男がいると思い込んでいる。痕を付けたのも、別に独占欲からではない。単に、お前の他にも男がいるぞ、と、居もしない相手への揶揄いを含んだメッセージにすぎない。
二人はセックスはするが、ただそれだけだった。具合が善く、面倒ごとにならないからロイエンタールは都合の良いときにヤンと寝る。ヤンも、都合が悪くなければ応じる。
それは士官学校からの付き合いだった。
(そんなセフレな関係から始まる両想い!……だったんですよ…orz)
藻屑152(アッテン誕でした)
浮かれている、と一目で分かるデリバリーのオンパレードにヤンは若干呆れていた。
アッテンボローは千切れんばかりに尻尾を振り、ヤンの為に椅子を引いた。
「どうぞ」
ニコニコだ。そういえば、アッテンボローのフラットに来たのは久しぶりだった。
女性のような扱いに指先で頬を掻くが、士官学校からのデフォでもあるのでヤンは素直に腰を落とした。そして手土産のワインを持ち上げるが、ポンッと耳触りの良いコルクの音が先に響いた。
微発砲のロゼの芳香が甘く漂う。アッテンボローはにこやかに、食前酒です、と云うが、その割には結構お高いのはラベルで一目瞭然だった。
…なんだかなー。
まるでお祝いをされているようで、ヤンは困ったように眉尻を下げ、細長いグラスを掲げた。
「かん―–―」
「誕生日、おめでとう」
「…え?」
グラスが鳴り、チーンと静まり返った。
固まったアッテンボローにヤンも固まった。
「え?…って?」
「え?って?…って?」
「………」×2
グラスを掲げたまま、何となく見つめ合う絵図は間抜けだ。
「…………あっ!」
漸く今日の日付を思い出したアッテンボローは声を上げた。
「俺、今日誕生日だったッ!!」
「…………」
驚愕の事実にカッと目を瞠った後輩に、何を今更と思わなくもないヤンは敢えて突っ込まなかった。
20代過ぎれば誰だって意識的に自分の誕生日を忘れたがるというものだ。自分がそうなのでヤンは取りあえずグラスを煽った。
その時、あーそうかぁー、とアッテンボローはなんか納得したような声を出した。
「どーりで、やたらとプレゼント貰ったんだ」
彼は、何気に人気がある。雲上の魔術師は高嶺の花すぎるが、なんとなく彼なら手が届きそうな気がするのだ。あまり知られていないが、何気にヤンより昇格スピードが早い。加えて愛嬌のある顔立ちだ。伊達と酔狂で、ユーモアもある。…実行するところは頂けないが、やんちゃ系で括れないこともない。
本命です!的な綺麗にラッピングされたプレゼントの数々(中身の想像はできない)がヤンの脳裏を過り、唇を付けただけで飲んでいないグラスをテーブルに置いた。
実はそんなことはない。
アッテンボローに寄せられたプレゼントは2~4人のグループでだった。なんでグループ?と意味が分からない上に、なんか薄い本っぽいのや、箱を振るとカタカタと音がするフィギュアちっくなものばかりで、いまだ一つも開けていない。
…なんだったんかなーアレ。
気にはなるが、今は最愛のプレゼントであるヤンが目の前だ。そんなの後々、とアッテンボローは改めてヤンに視線を戻した。
「先輩…?」
ヤンは俯いていた。アッテンボローは何故か寒気がした。俗にいう悪寒だ。
「…あの…せんぱ―――」
遮るようにヤンが顔を上げた。にっこりと、とても柔らかで温かな笑みを浮かべている―――が嫌な予感しかしないアッテンボローは金縛りにあったように固まった。
「これ、私からのプレゼント」
細長い手提げはワインだろう。
「…あ…あり、がとう…ござ……」
機械的にというか何かに操られたようにぎこちない動作で受け取る。
「誰かと楽しんでくれ」
いや、だから、にっこり笑顔が怖いんですけど!?
(ちょっぴりヤキモチな紅茶提督。プレゼントの中身は腐女子が心血注いだR18な同○誌やフィギュアやお道具でした。……裏も作文したんだよ!!裏も!!!)
藻屑153(ポプ×ヤン『crimson room』)
次のデートまでに時間があるので暇だ。そうなると彼が行く先は大概決まっていた。
「コーネフさん、遊びましょう!」
ポプランは勝手知ったる他人のフラットを開けた。
「……あれ?」
デスクには途中のクロスワードの本が開いたままでコーネスの姿はない。
「まだ寝てんのか?」
珍しいが、休日前の昨日は呑んだ。コーネフは意外に酒に強い。というか、酔ってるのか酔ってないのか、顔に出るタイプではないので判らない。
そんな呑んだかぁ?と夕べの様子を思い浮かべながら自然と寝室に足が向いていた。
ベッドの上には人型の膨らみがあり、本当に寝ていることにポプランは少し驚いた。彼の生活は自分と異なり、ほぼ規則的なのだ。
相手が寝ていると判っても、ここで遠慮しないのが彼だ。
「おいっ起き―――ッ!?」
勢い良くシーツを剥ぐと想定外の人物が現れ、ポプランの手からシーツが床に落ちた。
「…うるさいと思ったら、やっぱりお前か」
呆れを含んだ聞き慣れた声に振り返ると、シャワーを浴び終えたコーネフがいた。
「おっ!なっ!」
想定外の出来事にポプランの言語中枢が少しばかり麻痺していた。
「静かにしろ」
起きる。
寒くなったのか、ベッドの住人はもぞもぞと体を丸めた。その上にコーネフは床のシーツを被せ、むっつりと口を噤んだポプランに顎で寝室から出るよう促した。
リビングに移動するとコーネフはデスクチェアーに座り、ポプランはその斜め後ろの独り掛けソファに座った。それぞれの定位置だ。コーネフがクロスワードをしている時、ポプランはテレビを見たりゲームをそこでしていた。遊ぶと云っても、二人で何かをするということは殆どなく、同じ空間に一緒にいるだけで、それぞれしたいことをしていた。
マシンガントークで根掘り葉掘り聞いてくるかと思ったが、ポプランは俯き黙ったままだった。
大人しいポプランというのも物珍しく、コーネフは暫く様子を見ていた。沈黙は長く、次にはクロスワードに目を通し始めた。
カリカリとペンの音が続き、パラリ…と紙の音に漸くポプランは口を開いた。
「…なんでヤン提督がいるんだ…?裸で」
低く沈んだ声だった。
「判らないのか?」
「判るから訊いてんだよっ!!」
何でもないように返すコーネフに苛立った。
クロスワードを解いていくペンの音も止まった。数秒の無音の後にまたペンの音が何事もなく続き、そういうことだ、と余韻のように室内に響いた。
ポプランは鋭い舌打ちをし、コーネフの視線がクロスワードから離れた。
「なんだ、気になるのか?」
珍し気な視線にポプランは顔を顰めた。何もかもが気に入らなかった。
口の中で悪態を吐きポプランはフラットを出て行く。
ああ、と思い出したような声が背中から聞こえ、肩越しに視線を向けた。コーネフはクロスワードを解いているのが視界の端に映った。
「―――誰でもいいんだろうが、お前はないだろうな」
なにを示しているのか明確でない出来の悪い予言のようで、だがどこか確信めいていた。
(ここまでが冒頭部分で、こっからエロに入っていくんですよ…ポプランとヤンが通路でぶつかって、蹌踉けた拍子に倉庫の扉が開いて、エロ。……ラストをどうしようかとずっと悩み、漸く次の『green room』に続く感じのを思いついたのに………orz…泣きながら脳内サルベージ。なんも救われねぇよ!!)